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小島てるみ 「最後のプルチネッラ」 「ヘルマフロディテの体温」 「ディオニュソスの蛹」

ナポリ少年シリーズ。
いや、どれも単独で、登場人物に接点はない。三冊ともナポリにまつわり、誰も彼も精神年齢としては自分にベクトルを向け、多感な老若男女であふれている。本物のイタリア人と違うのは、boysたちが挨拶代わりに女を口説かないところ、自己愛に満ちてはいるが常に人の目を気にしているところ。どこか長野まゆみかな。演劇つながりで萩尾望都も思いだした。

以下メモ書き程度にタグをつけておく。

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転生を繰り返す道化師のもとで演劇のワークショップに参加する有名/裕福少年と無名/貧困少年の主役争い。
いや、争いではない。裕福少年は野良ネコのような無名少年になつき、無名少年は毛並みのいい名門猫から目を離せない。
ナポリという異国情緒と、時を超えた道化師の幻想性が混ざりあい、奇妙な肌触りを感じさせてくれた。


「最後のプルチネッラ」 2007年発行

※※※※※※※※※※※



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両性具有と性不一致の悩み。

「ヘルマフロディテの体温」2007年発行


※※※※※※※※※※※※※※


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母と死に別れたナポリの少年が、見知らぬ異父兄に会いに南米、ブエノスアイレスへ出向く夏。
兄は大邸宅に住んでいた。

人物が入り組み、時代も時折左右するのだが、理路は整然、単純明快どこか劇仕立て。
これもアートセラピーが混じった知的な一冊。
命令形の多さや上から目線が連発で、人の家庭のいざこざや美人の恋愛事情、トラウマが好きな人には受けるかも。

「ディオニュソスの蛹」2014年発行

※※※※※※※※※※※※※※


実は一番初めの本は三浦しをんさんの「本屋さんで待ち合わせ」で知った。
この三作では演劇、舞台、少年、多感、がキーワードかも。
神話に美術も満載で、学術性も高そう。
そっちのほうの造詣が深いなら、もっと楽しめたことだろう。
個人的にはカタカナになじめない性質、イタリア語、神話系の固有名詞はきつかった。
いまだにどのタイトルも、空では言えない。




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by mkbookies | 2016-07-10 09:37 | | Comments(0)

イタリア家族風林火山

テルマエのヤマザキマリさんが描いた 「イタリア家族 風林火山」を読む。
実は昨日遅延した列車待ちのホームと、45分遅れで来て渋滞しながら進む電車の中で読んでいたのだが、
公共の場所で笑ろた。
19hまでに手土産をゲットして、明朝に用意しなければいけないというのに、神戸駅でまったりと時を過ごし、遅延に普通はイライラするだろうタイムリミットが近づく中、真剣に読んだ。

そうそう、こんな感じ。地球上どこに行っても家族や近隣、友人知人そして見知らぬ人に振り回されるのよね~。でもラテン系はこうなのかしらん、イタリアって、そしてポルトガルってもっと自由な国なのかもしれない。アモーレな国だし、あの国は、
思いながら読んでいたけれど、だんだんヤマザキマリさんの勢いにのまれ、完璧に掌で転がされる。

シングルマザーがいかに14歳年下の夫と結ばれ、同居生活を生き抜いていくか。そして海外で職を得る。漫画家として。
この人のパワーはタダモノではない。
まるで国際結婚の歩き方、イタリアン・マンマ編。

これを読んでなお、あなたは国際結婚(ライフ)にあこがれますか。

生き抜くにはパワーがい必要だ。

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by mkbookies | 2016-06-20 08:07 | マンガ | Comments(0)

2015 Myベスト


しみじみ編:

病身で家にこもっていた時の、かたつむり観察記。
前半はかたつむりの徘徊の跡を追って家を探索し、さまざまな思いを巡らせる。
元気になるにつれ、ジャーナリストの職業意識か、かたつむりについて調べはじめた。
うちのかたつむりは一体何種? 
これも一種の闘病記。

「カタツムリが食べる音」 エリザベス・トーヴァ・ベイリー(Elisabeth Tova Bailey)著
(原題:Sound of a Wild Snail Eating  )
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波瀾万丈うそばっかり、歴史冒険物語編: ウンベルト・エーコ 「プラハの墓地」
フリーメイソン、イタリア独立戦争、歴史のことがちょいとわかった気になれる。
うその中にほんとを探せ。(←これは谷川俊太郎)

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次に笑える編:

毎年笑えると言えばアメリ・ノートン。
「Le crime du Comte Neville」 直訳:「ヌビル伯爵の犯罪」
ベルギーの古城の保持が大変、
手放すと決めた伯爵が、最後にガーデンパーティを催す。パーティ開催の前に、おせっかいな預言者が不吉な言葉を口にした。
- パーティであなたは招待客を殺すだろう。
頭を抱える伯爵に、ティーンの娘が言いだした。
- それなら私を殺してよ。

解決法は何もかもが、破天荒。


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もっと笑えた編:

ワイフ・プロジェクト。:Graeme SIMSION著。

アスペルガーの入っているだろう遺伝子専門家の恋物語。本人は至って真面目だし、悪い人じゃないんだけどね。
とっても幸せになってほしい男です。



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そしてまじめ編:

原題Le Miel(直訳:はちみつ)Slobodan DESPOT著

幻想と第六感から始まって、偶然は様々な奇跡を呼ぶ。
過酷な現実に、努力で立ち向かう息子と、運と勘で生きる父。

民族戦争について、こんなにまじめに読んだのは初めてだった。


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最後に、終わりよければ全て良し編:DVD:
「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」
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タイムトラベラーの資質を優性遺伝した青年の話。

やっぱりラストは笑顔で締めたいもの。

2016年が、みなさまにとって良い年となりますように。




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by mkbookies | 2015-12-31 16:28 | 洋書 | Comments(0)

No.0

買わない、買わないと思いつつ本屋に入る。
買わないなら入らないでくれと言うのが店の本音かも知れない。
そう思いつつも入店してしまう。

“大型、ハードカバーは高くて場所をとる。本はやっぱりポケット版だよね”
買わないで見るだけなら画集を見ようがハードカバー全三巻を見ようが同じことなのだけれど、小心者なのでポケット版のコーナーへ。


シャルロット・リンクの双子の話、ジェーンオースティンの姪っ子への手紙、ベストセラー作家の新作、定番ミステリ、
そそられる本はいくつもある。
シャルロット・リンクに関しては、“ミステリは今読んでいるエーコのフーコの振り子を読み終わってから”
ジェーンオースティンの姪っ子への手紙は“なんでフランス語版で読まんといかんねん”
ベストセラー作家の新刊に関しては、“図書館で借りよう”
定番ミステリも“図書館、図書館”
目につくごとに言い訳を心のなかであげていく。

今読んでいのは先日ブログに書いた「ロングボーン」と「フーコーの振り子」
「ロングボーン」はともかく、「振り子」は何年かかることか。
“ホントに本屋に何しに来たんだ”
思いつつ気合を入れて店を出ようとすると、
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ウンベルト・エーコの新作。№0。

大型本。

訳本が出るのは11月頃だと思っていた。
何語? まさかフランスの本屋にイタリア語で?
半信半疑で開いてみる。
中身はフランス語。ひっくり返すと解説もフランス語。下にはハードカバーな値段が明記。

手にとったが最後。

本屋で今日も負け戦。

※※※

6月、朝目を覚ますと水が出なくなっていた。
断水かとおもいきや同じアパートの住人は何の不自由もしていない。
「元栓を閉めたんじゃないんですか」隣人は言うが元栓なんてどこにあるのかもわからない。
 「ほーら締めてあるでしょう」隣人が教えてくれた配管の、コックをひねると水が出た。
昨日の夜は水道を使った覚えがある。一人暮らしでどうしてこんなことになったんだろう。
けれどそういえば昨日の夜、蛇口から水滴がこぼれる音がしなかったような。
どうして水道は止まったんだろう。
誰かがうちを探りに来た?
コンピュータのデータを見に来たのか?
40年前のあの忌まわしい事件が頭に蘇ってくる。
あのデータが必要なのか。
あの件だったら、今でもはっきり覚えている。

主人公は仕事先に出版社を渡り歩いている。百科事典の編集もしたし、ドイツ語訳の仕事もした。
子供の頃からドイツ語に触れて育ったおかげで、何の苦労もなくプロレベルの仕事をこなすことが出来た。
手書きの文章を読む仕事もあった。
寝っころがってもできるような、読むだけで出版社は感謝してくれる。なんておいしい仕事だったことか。
けれども結局は語学力が災いして大学を卒業することができなかった。
厄介な事件に巻き込まれる破目にも陥った。
はじまりはゴーストライターの仕事を依頼されたことだった。

ー 君の文才に目をつけていたんだ。
言われて礼を言う主人公に、依頼主はつけくわえる。
ー その文才に誰も気づいていないけれど。
一言多い注文主からのご依頼は、“月刊誌の出版裏話回想録”
出版されることのなかった月刊誌について、編集会議等の12ヶ月分。
進行方向は依頼人が決める。
謝礼は多し。現金払い。
真意は政治、経済界への顔つなぎ?
いや、出版差し止めのために、大金を払ってもらうことが目的かもしれない。
一言で言えば、ゆすり?
そのためには実際に編集者、記者を雇って、打ち合わせを進める。
雑誌のタイトルは「明日」

そして仲間のひとりが殺された。

               ウンベルト・エーコ著「Numero zero」
※※※

まだ読みはじめたばかり。
「プラハの墓地」や「フーコーの振り子」とは違って、歴史的事実や秘密結社、小難しいい観念は今のところ出てこない。
量もいつもの3分の1くらいだし、今回はちょっと軽快な気配。
それでも史実にまつわる、血なまぐさい事件が、やっぱりどこからか湧いてきそう。


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by mkbookies | 2015-05-15 05:09 | 洋書 | Comments(0)

プラハのユダヤ人墓地

 ウンベルト・エーコ著 「プラハの墓場」読了

 550ページ、詰まった内容とむつかしい単語で二年はかかるかと思ったが、凝った設定と謎かけに釣りこまれ、辞書を片手に一ヶ月で読了。
内容が濃いので辞書がまったくじゃまにならなかった。(というか、辞書と歴史の参考書抜きでは手も足も出なかった)
以下あらすじを書くけれど、この本の醍醐味は主人公の嗜好。なぜか目を話せないあぶない男。それから歴史に秘儀に登場人物。そして食も見逃せない。つまり、あらすじくらいではこの本はわからない、ということをあらかじめ言っておく。

※※※※

 1897年パリ、裏路地の胡散臭い骨董品屋、奥には玄人向きの物品が並び、その階上では古書捏造業が営まれていた。
 店主は67才。家族のいないひとり暮らし。心に浮かぶままを回想録を書き綴る。
 いつしかそこに得体のしれない筆跡が現れはじめる。
 そういえばここのところ記憶が途切れがちである。いったい何があったのか。

 わからない単語はいちいち辞書で調べたが、おかげで半分訳本ができたようなもの。
 後から見返すとイシビラメだとかズアオホウジロ、鋤骨から腿にかけての肉や食べ物の記述がやたら多い。
 そういえば食べっぷりのいい、レストランで昼も夜も朝まで美食を食べる男だった。
 そして食の描写に気を取られていると、思わぬところで読み手の足はすくわれる。

 さて回想録。主人公は、学校に通わず祖父のもとでテンプル騎士団やフランス革命の話を聞きながら育った。教養は近所のカトリック聖職者から授かる。まさに純粋培養。祖父の反ユダヤ的考え方も常識として受け継いだ。後に大学で法学を学ぶが興味が持てず、公証人の元で仕事につく。(要は代書屋の丁稚)それでもどこか足が地に着かない生活をしている中フリーメイソンに見初められ、統一運動が白熱するイタリアへの派遣となる。
 同じく運動に熱を上げるアレクサンドラ・デュマと合流し、飲めや歌えや大騒ぎをしつつもテロ任務を遂行した。
 フランスに帰国すると折しもパリはプロイセン軍が兵糧攻めの真っ最中。市民は食糧難に苦しんでいる。犬猫駄馬どころか、ネズミすらも食用とされ、クリスマスのシーズンともなると動物園から異国の動物が端から姿を消していった。その頃金持ちのテーブルに上ったもの、ゾウにラクダ、カンガルーにアンティロープ。「この頃食べたキジとガチョウのフォアグラは美味かった。特に新鮮さがこの上なく」とは、いったいどれだけ“新鮮”だったのだ。

 パリの任務は地下路の地図作成。プロイセンの知らない通路から攻める、という意図を告げられた。そんなもの敵はとっくに把握しているわい。腹の中でつぶやきつつも、結局報酬をくれるというので引き受ける。以前から知っていた地下を通ってパリ・コミューンの前線を見学。市民蜂起とパリ炎上、血の一週間から残党のベルサイユ連行まで、つぶさに主人公は傍観することとなる。

 その後プロイセン軍は撤退となる。一段落ついてそろそろ地味に暮らすのかと思いきや、文書偽造の声がかかる。ここでかかわった書類がふたつの反ユダヤ運動へとつながっていく。シオン議定書(ユダヤの長老達のプロトコル)とドレフュス事件。前者はユダヤ人密会録、のちにナチスのホロコーストにつながったロシアの怪文書。後者のドレフュスはユダヤ人軍人冤罪事件。証拠もないまま有罪とされ、フランス軍が懸命にもみ消そうとした事件だが、結局特赦の末無罪判決。軍人釈放後も文豪ゾラが新聞に怒りの抗議文を発表したことで一層反ユダヤ問題を盛り上げてしまった事件。ただそれは、主人公が忘れてしまった頃の出来事。
 
 めまぐるしいことの展開が台風のようにおしよせ、一過の後は主人公の精も根も燃えつきていた。この後最後の20ページ、美食に専念して食べ狂ってもいいのではないか、この主人公なら許される、思わせる頃再び任務が科せられる。
 
※※※※※※
 史実に基づいた事実が凝った手法で語られている。この書き方につられて苦手な世界史も結局最後まで読んでしまった。
 こういう本で歴史が習えれば、世界史ももっとやる気になったのに。

 あとがきで著者が書く。主人公以外は実際に存在した人物である。そして主人公にしても、どこにいてもおかしくはない輩であろう。

 完成度の高い作品というのは、こういう本なのか。非常に読み応えがある一冊だった。

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ウンベルト・エーコ(umberto eco)著 「プラハの墓地( 原題Il cimitero di Praga)」創元社から年内出版予定。

同著者がユダヤに関するエッセイ、「敵を作る(Costruire il nemico)」を出版している。
ご縁があったら読見たい本。
                          
※※※※

註: 邦題は当方の直訳です。


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by mkbookies | 2015-04-26 15:14 | 洋書 | Comments(0)

またまたプラハの墓場 (3)

プラハ、3/5くらいまでは着ているのだが、またまた何のことやらわからなくなってきた。
章タイトル 「コミューンの日々」
コミューンって何?
時は普仏戦争、1870年代前半のパリ。
このころドイツとフランスがもめて国境の地方、アルザスがまたドイツにとられたのは耳にしていた。
フランス万歳と先生が黒板に書いた、「最後の授業」(ドーテ著)の頃だ。
が、そのころのパリ事情はまったく知らなかった。
国境アルザスは、境遇しだいでドイツ軍にはいったり、フランス軍となったり、そして敵軍に身内がいたりと、激動の時代だった。
この地方の事情で聞く方ももう頭がいっぱいになってしまっていた。


というわけで、プラハの墓場。主人公が、パリの地下路について力説する。地下路の地図を報告する任務につく。それがどうして重要なのかまったく意図がつかめなかった。

歴史の本を再度引っ張りだした。
普仏戦争でナポレオン三世退陣 1870年。
翌年「パリ・コミューン陥落」

だから一体、「コミューン」ってなんなんだい。
歴史の本をもう少し読み進めてみる。

パリでバリケードが組まれ、そこのドイツ兵が攻め、つぎつぎと犠牲者が出る。
パリ市民は敗け色の濃いドイツとの戦いで、さいごまで抵抗し、自分たちの自治体をまもるために体を張ったのだ。
その自治体がコミューン。

高校の世界史も、こうやって説明してくれたら頭に入っただろうに。

そう言うと、そんなことはちゃん言った。ほら教科書にも書いてある。そう教師に言い返されるだろう。

パリ近代史の糸口が、ウンベルト・エコ著のプラハのお陰で、なんとかやっと見えてきた。
この主人公を通じて、激動のヨーロッパをつづった話

歴史に疎くて先が見えない。


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by mkbookies | 2015-04-07 05:41 | 洋書 | Comments(0)

プラハの墓場、デュマとポー

プラハの墓場でデュマが出てきていたので、デュマをちょいと読んでみる。
“1860年、イタリアで連載されていたデュマの作品。
ちなみに1860年といえば日本では桜田門外の変、アメリカではリンカーンが大統領になった年。

表題が“L'Assassint de la Rue Saint-Roch”(直訳:サン・ロッシュ通りの殺人) イタリア語だからサント=ロッチ?
表紙はポーの「モルグ街の殺人」。
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以下、青字があらすじ。


 盗人(ぬすっと)と人殺しが多い地があるとすればそれはナポリ。
  盗人と人殺しに罪が問われない地があるとすれば、それはナポリ。

ふむふむ。

警察についてのうんちくが続くうちに主人公のところにエドガー・アラン・ポーが来訪した。
ふたりで夜を楽しむように、好き勝手な同居生活。
そんなある夜、絹を裂くような悲鳴があがった。
女性がふたりで住んでいる館。なにか大変な事件おこった模様。

話が進むにつれ、どこかで読んだような、という既視感にとらわれる。
本をひっくりかえす。背表紙に「2013年に発掘された作品。忘れていた小品」
わたしは前世イタリアにいたのかしらん。

堅く閉ざされていた扉を警察と集まっていた近所の住人で押し破り、中に入ると荒らされた館の中、惨殺死体が一体。もうひとりは、暖炉の上に押し込まれていた。屋敷は密室。犯人はどこから逃げたのか。

この話、やっぱり読んだことがある。
フランスをすっとばかして、日本で訳されていたのだろうか。

犯行を耳にした近所の証言
ー あれはフランス人の声だ。
プランス語を解さない人が言う。
ー あの声はスペイン語だった。
言う本人はスペイン語は話せない。
ー あれがロシア語だ。
証言者はロシア語を知らず。


どこで読んだんだろう。

被害者の手の中に握りしめられていた毛は、人間の髪ではない。

え? これって?
ポーの表紙はデュマもネタバレ?

ポーとデュマは実際に交流があった。
モルグ街の初出が1841年。アヘン戦争の頃。

モルグ街のイタリアバージョンをデュマは連載をしていたのね。
昔の流行歌を方言で復活するようなものなのか。

話変わって、今読んでいる最中の「プラハの墓場」。
こちらでは主人公が仕事に励んでいる。
でっちあげの史実を裏付るものとして、贋作をひとつ作成した。
切迫感のある傑作に仕上がったと、自信満々で納品。
けれど仲介者が先に盗用しており、注文者は恥をかくはめになる。
苦情をうけて激怒した主人公は、仲介者を撲殺し、そのまま死体を遺棄しに歩く。

作品コピー、悲喜こもごも。





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by mkbookies | 2015-04-03 17:33 | 洋書 | Comments(0)

「プラハの墓場」を読みながら (2)

ウンベルト・エーコの「プラハの墓場」を読んでいる。
(墓地? これについての言及がまだ二行しか出てきていないのでなんとも言いかねる)

翻訳物が苦手で、海外古典文学はほぼ未読に近い。
世界史が苦手だったのはカタカナにとっつけなかったせい。
言い訳なんて、探そうと思えばいくらでも見つかる。

さて、エーコの「プラハ」でやたら「デュマに会った」「デュマに賞賛された」と出てきた。
さすがにアレクサンドル・デュマが「三銃士」や「岩窟王」を書いた人だとは知っているが、デュマの生涯までは知らなかった。
たまたま松岡正剛氏の千夜千冊の1220夜に、モンテ・クリスト伯があった。(1220夜
モンテ・クリスト伯って、岩窟王だよね、思いながら読んでいたらデュマの生涯に話はひろがっていった。

“デュマが“偽物だか本物だかわからないモンテ・クリスト伯”になっていった”(1220夜からの引用)

女出入りはさっぱりだけれど、これに近いものを、「プラハの墓場」の主人公は語っているような。
それもいくつもの伏線を絡めて。

デュマの物語やその生涯、そして世界史を知っている人にとっては、この「プラハ」は喉から手が出るほど読みたくなるだろう。
無知のわたしにとっては逆にデュマの生涯や作品、ヨーロッパ近世、近代史へのとっかりとなるかもしれない。

そうはいっても話がどうも胡散臭すぎる。
みだらとか危ないとか、そういう世界ではない。
けれど“生徒”に進んで読ませたくなる話じゃぁ、まったくない。
こういう変な話って、なんだか読みすすめてしまうんだよねぇ。







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by mkbookies | 2015-03-27 16:51 | 洋書 | Comments(0)

プラハの墓場を読みながら

ウンベルト・エーコ、「プラハの墓場」を読んでいる。
パリのちょっとうさんくさい骨董商の話。
どうしても思い出せない時間がある現在、子供の頃の話、若いころの活躍、とどろどろした雰囲気の中で話が進んでいく。
と思っていたら、途中で話がちんぷんかんぷんになってきた。
地名? 人名?なんだかよくわからない。若借りし頃、ナポレオンの時代。この時代にイタリアに送りこまれることを、どうして主人公は鼻息荒く語るのだろう。まわりもどうして奮起しているのか?

世界史の本をひっぱりだす。
 イタリア統一運動の真っ最中だった。
 日本で言えば倒幕、世直し、一大事。
 ガリバルディが千人隊を率いりシチリア島に上陸。社会改革をめざしブルボン王朝を追い出した。
 イタリアの“フランス革命”

世界史の授業を聞いていなかったツケが今頃回ってきた。
まぁ、学び時の到来と思うことにしよう。

デュマとともにイタリアで戦う主人公。緊迫感がひしひしと伝わる。
けれど主人公はさらりと言う。当時の書付が見あたらない。

またこの主人公、大丈夫?聞きたくなるほど、することなすこと胡散臭い。

ちゃんとしたあらすじはまたあらためて書くがなにはともあれ、へなまずるい登場人物が出てくる話を読みたいならば、プラハの墓場は最適だ。



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by mkbookies | 2015-03-25 04:27 | 洋書 | Comments(0)

高慢と偏見その後 メアリー編

結局The Pursuit of Mary Bennet (Pamela Mingle)のフランス語版を読んでいる。

ジェーン・オースティン、「高慢と偏見」のオマージュ。二次創作。
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上から順にジェーン、エリザベス、メアリー、キティにリディアと女ばかりの子沢山家庭。
まん中のメアリーが主人公。
上のふたりが嫁ぎ、すぐ下の妹も婚約が決まりそうだ。リディアはとっくの昔に嫁にいっている。
残ったメアリーの行く先について親が頭を痛める。
あれじゃもらい手がない。姉の子の教育係にだすか? リディアのところで子守にでも。
それを聞きつつどうせ私なんかと後ろ向きなメアリー。
うたは上達しないけれど、わたしには本とピアノさえあればいいのよ。
そこに臨月をむかえたリディアが何の前触れもなく帰省。
- 夫の節操のなさには耐えられない。
言った口から腹の子が夫の子かどうかもわからない事実まで告白される。
父親から頭ごなしに怒鳴らたところにキティが帰宅。長姉のジェーンが同伴している。

父親は怒る。
- キティとメアリーでもう一度ジェーンのところに行って来い、
- 帰ってきたばかりなのにまた戻ってどうするの
- 女手がいるからメアリ-もリディアの出産を手伝うべき、
誰もがあれやこれや大騒ぎ。

- いいえ、メアリーは私と一緒にうちに来ます。
嫁に行って子どもも産んだせいか、あのおとなしかった長姉がことを仕切る。
リディアは昔からキティと仲がよかった。リディアのことはキティに任せて、メアリーはうちに避難させます。

事の流れが非常にご都合主義な気がするが、
文字通り二次創作者の筋書きどおり、まん中娘は長姉の婚家でしばらく過ごすこととなる。
キティも結局ついてくる。
婚家に始終姉妹が滞在するなんて、夫には迷惑じゃないかと思うのだが、
夫の妹も始終夫のところにいたので、家族団結への理解はありそう。
屋敷も広いし。
千客万来で、行く先にはキティの想い人も再来しているらしい。
メアリーは内心想う。
あの人は本当は私のことが気になっているのよ。

原作に比べてガチャガチャ度が薄い。訳文のせいか原文のせいか、登場人物の性格もどこかちがう。
オマージュなので同人誌を読んでいるような錯覚に陥る。
なにはともあれ恋愛小説。ツッコミを入れながら読むのが醍醐味ではないだろうか。
肩の力をだらりと抜いて、やじうま気分で読んでいる。

※※※
実は並行してウンベルト・エーコの「プラハの墓場」に手を出した。
ん十年前に「薔薇の名前」を数ページと進まず挫折した
再挑戦にあたって腹を決めた。
1日1ページでも読めればいい。
560ページ。2年計画。
2年かかっても、読めればいいじゃないか。
こむずかしい単語が多く、辞書を引き引き読んでる。
ウンチクばかりで、誰も彼も性格が悪い、癖がありすぎる。
暗いパリ、陰鬱としたイタリア、売笑宿、インチキ古物商、秘密結社。珍奇な過去と奇妙な今。次から次へと胡散臭さがにおいたつ。
一文一文にコクがあり、辞書を引着ながら読んでもまったく気にならない。
あらすじについてはまたそのうち。
今は雰囲気にのまれている。

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ウンベルト エーコ 「プラハの墓場(墓地)」2010年

他の小説を以下に列挙。右に私情をはさんでおく。 

薔薇の名前:1980年         ←挫折
 フーコーの振り子1988年     ←読みたい
 前日島1994年          ← あるとは聞いていた
 バウドリーノ2000年       ← 知らなかった
 女王ロアーナ、神秘の炎2004年  ← 表紙は拝んだ
 Numero zero 2015年      ← なんだかそそられている。

夢は大きく持たないと。


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by mkbookies | 2015-03-17 05:24 | 洋書 | Comments(0)