相手がミスをした。または予想外の行動に出た。見逃してスルーさせる選択肢がない場合、あなたはどうしますか。
ー どうしてそんなことをしたのか、相手に理由を聞いて、自分で解決策を探させる。 ー 指示を出し直し、相手のやり直しを確認する。 ー 諭す。 ー 叱る ー 目くじら立てて怒る。 公も私も、そんなものだと思っていた。 そんな鱗を目から落としてくれた本。 リサ・クレイパス 和題 「もう強がりはいらない」 妹が突然赤ん坊を抱いて実家に現れ、あっという間に失踪する。毒母はもてあまし、長女の主人公に電話を掛けて来た。 早くどうにかしてちょうだい。 事業経営者の、若い美形な男が父親らしいと聞き、主人公は妹と子供の父親を探しに、離れた町へと車を走らせた。 + 以前書いたあらすじはこちら はい、ロマンス本です。 嘘ばっかりのご都合主義~、ロマンチックならなんでも来いじゃないのか。 でも、 この主人公の、同居人の話し方は、読んでいてツボにハマるものがあった。 全体的に性格のいい同居人ではない。菜食主義で自分勝手で自分が大事。パートナーにも自由重視。 一挙一動に同意できる男ではない。 が、 主人公が変わりを打ち明けなければいけない、切羽詰まった律儀な彼女への、対応には不意をつかれた。 以前、現実に出会った。「結局は別れてしまったけれど、口論ひとつしなかったカップル」、高速のインターチェンジのカフェで偶然相席になった「丁寧語でひそひそと注意しあうカップル」を思い出した。コンピュータ屋で技師兼店員の、推定20代の若造に、そういう話し方をする人もいた。 上から目線ではない、穏やかに、相手を聞く体制に導く人。 カナダでも一度、もう持っている空気があからさまに違う、そういう学生に会ったことがある。 (怒った時は普通のブラックのにーちゃんになっていたが) ああいう空気はいったいどうやって身につけるのだろう。 それを目指すきっかけになった一行が載っていた。 けれどこれで他の人も人生が変えられるかというと、?、になる。 具体的にどう目指すのかなんて、どこにも一切載っていないし。 それでも、こんなふうに他人を受け入れるようになれればいいな、と思わせてくれた本。 人生を変える物なんて、人それぞれとしか言いようはない。 なにはともあれ、のんびり読むには最適な大人のロマンス本。いい男もいっぱい出てくるし、きれいなおねーちゃんもいっぱい。お金持ちもいっぱいで、会話もおしゃれで楽しい、最後は安易だけれど読後感のいい本だった。 (原題 Lisa Kleypas著 Smooth Talking Stranger) にほんブログ村
by mkbookies
| 2015-10-17 15:51
| 洋書
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