2/18のデンデンムシからひきつづき、ルイス セプルベダを読んでいる。
アマゾンにはいったことがないけれど、チリの小さな町で、独り暮らしの老人が、歯医者から恋愛小説を回してもらう。 - ハラハラする話しかい、ハッピーエンドだろうね。 - もちろんだよ。 読みもしていないのに太鼓判を押す歯医者。 話は老人の若かった頃、妻と求めた新天地、狩猟民との合流、友人との出会いと流れていく。 野獣、病原菌も跋扈(ばっこ)して、湿地帯は大変だ。 ほぼ20年前にフランスでベストセラーになった、ということなので、どの辺りが読者の琴線に触れたのか、雑念にまみれながら読む。 南アメリカ? 密林? 新天地? 一人暮らしの放浪? 野獣? 学校の図書館をはじめて見た感動はひしひしと伝わってきた。おまけに学校に住みこんで、端から読んでしまったりもする。 野営中、恋愛小説を読みきかせる場面も心惹かれた。 本好きには、堪えられないもんだと雑念まみれで読んでいたが、最後は一気にハードボイルドになっていった。 息つく間もなくラストの一行へとなだれこむ。 世間の泥にまみれ、生死を賭ける自然の中で、恋愛小説を読む時間が光を放つ。 ルイス セプルベダ 邦題「ラブストーリーを読む老人」 原題:Un viejo que leía novelas de amor Luis SEPÚLVEDA 次は猫とカモメの飛ぶ話。 原題:Historia de una gaviota y del gato que le enseño a volar 邦題「カモメに飛ぶことを教えた猫」 海に潜っているうちに警戒警報が出て、水面に上がるとひとりぼっちになっていたカモメ。 一難去ってまた一難。次は海に流れた石油の波が押し寄せてきた。 一方、ハンブルグの海辺には、飼い主がバカンスにでたので独り暮らしをはじめた黒猫がいた。 3日ごとに餌をくれる人がやってくるし、この先自由になにをしよう、思っていた矢先に先のカモメが飛びこんできた。 石油まみれでもう目を開ける力もない。 - わたしはもうだめ。卵を生むのが精一杯。 卵がかえったら、飛ぶのを教えてあげてちょうだい。 あなた、卵食べないわよね。 猫はカモメの最期の願いを、叶えるのだろうか。 ※※※※ ルイス セプルベダ 1949年生まれ。チリの小説家。 「カモメに飛ぶことを教えた猫」もうちょっと読む 猫たちがおまえを育てているのは、おまえを太らして宴会を開くためさ。 チンパンジーに言われて傷つくカモメ。 それを聞いて猫たちは、怒りながらも考える。 なんとかカモメを空に返さないと。 しかし飛ぶってどうやるんだ。 生きるのに必要なことは、すべて百科事典に載っている、か? レオナルド・ダ・ヴィンチならばきっと。
by mkbookies
| 2015-03-13 16:03
| 洋書
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