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ママハハ物語 (3&ラスト)

初婚でしょ、バツイチ子持ちは大変だよ、
日本でも言われるのに、父親が子どもと会う権利をきっちり保証されているフランスなんてもっと大変。


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かと言って、連休の小旅行、相手の子供を含めた移動の手配、座席の予約から支払いまで、おまけに追加メンバーの世話まで一手にやるのはやりすぎだ。
普通のフランス人ならもう見放す。
お金、ステータス、車っていうのはそこまで人を狂わせるか。
それとも純粋に彼氏が艱難辛苦を越えて一緒にいたいいい男?
仕事先で身の上相談。だれもが自分のことで手一杯。結局カップルで決めるしかない。
あなた、子守?言われながら連休に小旅行。
貸し別荘で、子どもたちの嫌がらせは増殖する。
長男は好き勝手にFacebookで実況中継。

これじゃイジメだよ。
こんなので泣いてちゃ、日本の学校は行けないよ、
思ったとたんに我に返った。
集団ヒステリー(俗にいうイジメ)がフツウ、なのか、ニッポンは。

それはさておき、言いたいことをはっきり言う彼女もさすがに子供には愛想を尽かし決裂。彼を捨て、もっと金持ちのもっと年上の男を捕まえる。
そして結末は。

作者は潔ぎよく書き終えた。
こいきな女の物語。


この本が好きなら、こっちも好きかも。
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カタリナ マゼッチ (Katarina Mazetti)LE MEC DE LA TOMBE D'A COTE (直訳 隣の墓の男)
(以前読んだときの感想がここ
スウェーデンのラブストーリー。


あと、開高健さんのロマネ・コンティ 1935。
なんだか楽しみなカップルだ。





「ママハハ物語」、もしも日本で訳がでるなら、ターゲットは
① フランス大好き女の子
   かしまし娘がいくつになっても娘なように、女はいくつになっても女の子なところがある。
  パリ、オフィス、OL、恋愛、ランチ、ディナー、パーティ、パブ、カフェ。
  フランス大好き少女が食らいつきそうなネタが満載。
  まず朝買ってくるクロワッサンが美味しそう。
  こういうのは絶対にスーパーのパックに入ったぶつではないのだ。
  それから出社、オフィスで朝一番、顔を合わせばおしゃべりがはじまる。
  フランス人のおしゃべりは、アメリカ人でも歯がたたない、と言われるほどはまくしたてていないが、
  仕事モードとプライベートモードをあやつる同僚の姿が笑える。
  
② 年頃の子を持つ男と再婚を考えている女性。
  
  これに較べれば、日本の再婚なんて、屁の河童かも。
  子どもと同居しているなら、読む価値ありそう。
  もう子どもと同居してしまった後なら、読まないほうがいいかも。


なんだかこの本、主人公が魅力的。
饒舌だが、無駄がない、論点が鋭い。自分の意見もきっちり言う、そして、相手の意思も汲み取る。
保身が強い人が多い中、相手を思いやる人って結構少ないのだ。
そして言葉が冴えている。この主人公はバカじゃない。

欠点は、彼氏の威厳がない辺りかな。
主人公にベタぼれだが、子供と天秤にかけたらどうしても子供をとってしまう。
パパモード強すぎ。そして女に去られいらいら八つ当たり。まぁこれが、この人の味なのかもねぇ。
  
元妻、子供らの母はこれに反してもっと態度がでかい。相手を見下す傲慢女性。
元旦那の「若い」彼女相手なら、そのくらいの態度で出るのも普通か。

最後に読者ターゲットその③、離婚を考えている男女で、子供がいる人

 目の前のキッズたち、この生物の習性を、「他人」はどう捉えるだろう。
 この子たちは、「他人」の前で、どれだけ自由を奪われるだろう。
 ちょっとは相手に「敬意」を抱くことを学べ。
 相手にもよるけどね。
 。。。どんな相手が来るだろう。自分は守ってあげられるだろうか。

いろいろ考え、読後をひく、それでも元気で楽しい本でだった。

著者は1969年生まれ。日本にも好意的なジャーナリスト。
マダム・フィガロ、リベラシオン等に寄稿。






by mkbookies | 2014-02-28 13:22 | 洋書
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