カテゴリ:洋書( 94 )

13人のテーブル /13 à table 2017

久しぶりに紙の本を読む。
キンドルに入っていなかったから。
もとより積ん読読みかけの多いたちで、キンドル試し読みでここのところ足りていたのだが、毎年恒例チャリティ本がペーパーバックでしか出なかった。
それはそれで売上クリアでよろしいかと。

十三人のオムニバス、ランダムに読んでいく。
まずはフランソワーズ・ブルダン、non-anniversaire

あらすじ:
クリスマスディナーにくる二人の子供。もう大きくなって自分の生活に忙しい。来たと思えばさっさと食べて、帰宅ばかり考えている。会話もクリスマスというより、日常会話の延長。三人目は来るわけないじゃん。
放蕩に忙しい三人目は、去年も一昨年も来なかった。今年だって来れるわけないよ。
ー あの子は来るって言ったんだから。
ー あらあらそうですか。
そしてパーティは終わる。
テーブルには食べ残しのディナー。
片付けるのは明日でいいの。
私には時間だけはいっぱいあるんだから。

======
安定して読める人気作家。
クリスマスは一族の一大イベント。
家族ってこんなものだよね、と思える話。


※※※※※



マルク・レヴィ Accords nus



あらすじ:
恋愛には不器用な社会人、見かけた女性に一目惚れ。
思わずつけて行った先で、無言で一冊の本を渡された。
ー ここには来ないで。
そして彼女は玄関先に現れた。

========
感想:
いつものおセンチなレヴィ節。
今回は素直に読めた。
私が大人になったのかしら。
それとも以前怪談本をいくつか読み続けたせい?
どこか幻想的で、この世のものとは思えないような空気が漂う。
ゴーストかい、思えるほど線が細く、存在感の薄げな儚い女性を想像してしまった。


これは今の所一押し。
あと11編。どんな話が続くのだろう。


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by mkbookies | 2016-11-30 22:40 | 洋書 | Comments(0)

塗り絵の話をしたかったのだけれど、

先日から裏で夜中に人の気配がしていた。
柿の色づく秋、ひよどりもキィキィ鳴き、夜はやっと涼しくなってきた。
奇しくも読んでいる本はホラーライター加門七海。
秋の夜長の怪談話。
変な気配がしても暗がりをのぞこうとは思えない。
ドキドキしているうちにいつの間にかやむ茂みのガサガサ。

朝物置をおそるおそるチェックして、侵入者のいないことを確かめていた。

ある夜、ひさびさに普通の本を読む。
小川洋子。
やっぱり裏でガサガサいう。
二階の窓を開けると、一本の木だけ揺れている。
風じゃないよね、一本だけって。
今読んでるの、加門七海だっけ?


懐中電灯をつける。

小ぶりの柿の木になるでっかいアライグマの頭みっつ。

最近熟れそうな実がいつの間にか消えているのはてめえらの仕業かぁぁ。
そういえばこの間から鳴き声がすると思っていた。
まさかそんなお客さんが来ていたなんて。

翌朝青い実もこみですべて収穫。
よく見ると溝に柿の種がちらかっている。雑草に紛れて柿のヘタ。
祖父の代からの柿の木は、アライグマ御用達であった。

青柿の処理を聞きに病院の母にアポなし突撃。
そのあと市の鳥獣係に電話。
バタバタした一日を送り、夜また小川洋子を開く。
アライグマの切ない声が、柿の木の下から聞こえた気がした。
その夜からお客さんは来ない。


※※※※※

話は大きく変わって塗り絵の話。
ネット上でふとさがすと、やっぱりあったイギリス塗り絵。



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とか、


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高慢と偏見等、ジェーン・オースティンの塗り絵本。


ジェーン・オースティンは著作権も切れて廉価本も電子本も山ほど出ているけれど、
こういう挿絵がどっぷり入っているなら、紙の本も売れるわな、と思ってしまう。
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じかに塗る勇気は私にはない。




※※※※※※※

今読んでいる本。
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囀(さえず)る魚 アンドレアス セシェ
もちろんジャケ買い。

ドイツ語なので蝸牛の歩み。


こいつは、表紙をトレースして、塗ろうかとも考える。



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by mkbookies | 2016-10-07 05:50 | 洋書 | Comments(0)

そろそろ年貢の納め時 : 横文字

不意に暇ができたので何をしよう、献立帖も読んだし、本編、みをつくしでも、と考えつつもネットをしてしまう。
明日できることは今日やる、基本的にそのスタンスでできるようになったは、ネット一つでも不意に不通になるフレンチライフの賜物。
しかし、それでもいまだに、実際に手を付けるまで他の事に気を散らしてしまう傾向にある。

という訳で、ネットを見ていた。
書評サイト、本が好きで見かけた「囀(さえず)る魚」、著者アンドレ・セッシェ、苗字にアクセントが付いている。原書、フランス語? 検索してみると、
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なにこれ、
この、この、向こうに生えてる二本の長いのは、もしかして、もしかして。

(Andreas SECHE “大文字のEの上にアクセント記号”、Zwitschernde Fische)

オリジナルがドイツ語の本だった。

ドイツ語が読めるようになりたい!!!



言葉読めなくても、表紙だけなら今の時代、ネットで眺めていればいいんだけどさ、
どうしても手元に欲しいなら、買えばいいじゃん、ちゃんと払って。
今画面の前でいろんな思いが頭の中をぐるぐる回っている。

日本語の書評によると、どうもこれは本フェチのための本らしい。
いいえ私はウサギフェチ。

え、え、え、
どうしよう。
ドイツ語、いつかやろうと思ってたんだけど。
明日できることは今日やるけれど、いつかやろうと思っていたことは全く範疇になかったよ。

とりあえずKindleで原書のサンプルをダウンロード。
いったい誰が読むんでしょう。

ど、ど、ど、ドイツ語だ~。



日本語版はこれ。

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囀(さえず)る魚 アンドレアス セシェ
図書館で借りようかと検索したら、2冊あるけど予約が16件。
ど、ど、ど、どぉしよう。

公式サイトらしきものはこちら



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by mkbookies | 2016-09-14 12:16 | 洋書 | Comments(0)

助産婦は天使 じゃない

一時期軽いノンフィクション、職場、身の回りの裏話本が続々と出たことがあった。
小学校の先生が書いた連絡帳のコピー、小児科の現場、大統領元愛人。
仮題「い・き・ん・で」、もしくは「いきむのよ」「いきみなさい」、つまり、分娩台の妊婦を前に、助産婦が繰り返す決まり文句がそのままタイトルになっている。
そう、助産婦の現場本。
この表紙でなければ「どいてんか、姐(ねぇ)ちゃん」とも取れる題名だ。
中身は助産婦生活30年の今やベテラン助産婦が、過去目にした出産を思い起こすまま書き綴ったもの。
分娩台でパートナーが妊婦の親友と寝たことを知った妊婦、5か月違いの甥と叔父、生を受けてからこの世を去るまで離れることのなかった双子、母乳の出なかった移民がとった究極の手段、産院に乱入した酔っ払い、たったひとりしか枠のない立ち合い分娩の座を争う未来の祖母VS胎児の父、笑いが止まらなかった分娩室の話。
出産はどこの国でもドラマだなぁ。

でもなぁ、事者の承諾も得ずに患者のプライバシーをこんなに書くかい。さすがに患者の名前はほとんど書いてはいなかったけれど、でも噂話をするがごとく、盛り上がり豊かに事細かに語るのだろうか。
よってこっちは読んでいて、こいつはプロかいと思いつつ、噂好き、おしゃべり好きの女の職場をありありと味あわせてもらった。
患者とおしゃべりして、妊婦に振り回されて、息抜きはコーヒーブレイク。
産めや増やせや、預けや預かれ。フランス女性の活力がどのページからも噴き出していた。
一話一話は2ページ単位だし、軽く読むには丁度いい長さ。フランス女性を知るにはこういうアプローチも手っ取り早いかもしれない。
それに比べて、男たちって言ったらまったく。
でもそのおかげで助産婦はシャンパンが飲めた。
プロ意識はあるにしても、人間性に重きをおいた本。
助産婦だって感情はある。
軽く楽しく読めました。

ああ、アムールと自己主張がこってり混じったフランスだった。





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Sylvie Coche著 原題: Poussez-vous、Madame



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by mkbookies | 2016-04-13 22:42 | 洋書 | Comments(0)

リサ・クレイパス Brown-eyed Girl やさしさに触れたなら

久々に横文字を読んでいる。
恋愛物。リサ・クレイパス、実業家トラヴィス家4人兄弟姉妹+父の恋愛史。
今回は3男がヒーロー。
3兄弟揃いも揃って余裕をかましたいい男。既刊本がこの前に3冊ある。大金持ちの父と性格のキツイ長男メインの話がSugar Daddy、一人娘メインがBlue-Eyed Devil、次男がSmooth Talking Stranger。どれも女性向けロマンチックラブストーリーの王道を行くような話。平たく言うとハーレクイン並み。
三浦しをんが 「ロマンス小説の七日間」で言うところの「翻訳した一生分だけ印刷して、あとは全部白紙でも、きっと読者は的確にその後の展開をラストまで想像してくれる」本。
それでも読む。
始まったとたんにああ、このヒロインがくっつくのね、とわかる筋。
それでも読む。

始まりは結婚式。
結婚式コンサルタントのヒロインは、友人の結婚式も事細かに手配をした。もう3年もこの仕事をやっている。手ぬかりなし、思ったところがトラブル続き。まずサソリが紛れ込んで来たり、結婚式のとき飛ばす白い鳩が鷹に狙われたり、-鳥を放った途端に捕獲されたりしたら式が台無しだ- 、新郎がドタキャンを申し出たり。
共同経営者の妹とひとつひとつ解決しながらさて、式もたけなわ、あとは盛り上がりをチェックして、思ったとたんにナンパされ。誘いをかけるはサソリを問答無用で退治してくれたカメラマン。名家の出身、シングルで、あからさまに接近してくる。ヒロインは、興味がないと言いながら、話をするのは肩の力も抜けた自然体。これを俗に「意気投合」というのだろうか。
だからこの先こうなって、ああなって、そしてこんなことを言い出して、結局やっぱりこうなって。

読まずにもわかるじゃん。

でも、このシリーズ、会話が粋で、結局ついつい読んでしまう。

空き時間にちょこちょこ読んでいる。
Lisa Kleypas Brown-Eyed Girl 日本語タイトル「やさしさに触れたなら」
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翻訳する人、タイトルを決める人、きっといろいろ考えたんだなぁ。




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by mkbookies | 2016-03-28 23:08 | 洋書 | Comments(0)

キンドルをつなげる ブログに入る


やっと携帯のキンドルがフレンチになった。

やり方の覚書
まずアマゾンに連絡して、アカウントの管轄を日本からフランスに変えてもらう。
携帯の住所をフランスにする

日米アカウントのアドレスをダミーに変えて、最後にフランスのものを本来のアドレスに戻す。
多少の時間をおいて携帯のキンドルソフトを入れ直す。

するとあ~ら不思議。
忘れないうちに書き留めておく。
そうこうあがくうちに、いつの間にかブログがPCからはいれるようになっていた。

日常の徒然をアップしたいが、いつの間にかネタが増えすぎ。
尻切れトンボになる前に別の形で書いていこうと思う。
ただ、母は予断を許さぬながら、救急病院から一般に転院できそうになったことだけは書いておく。
今は転院先を探している段階。
先日今の病院に転院先の希望を聞かれ、子供のころ庭のように出入りしていた病院の名を告げた。
コーディネーターの方に呆れた顔で即答された。
「大きい病院を希望される気持ちはわかりますが、もう少し現実を見て言ってください」
昔風邪をひいただけで通っていた病院はいつの間にか全国レベルの大病院に出世していた。
幼馴染が着実に日々の努力を怠らず、大きく飛躍しているのを見せつけられたような瞬間だった。

20年と少しまともに戻っていなかったこの地。時は確実に流れている。


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by mkbookies | 2016-03-06 18:33 | 洋書 | Comments(0)

2015 Myベスト


しみじみ編:

病身で家にこもっていた時の、かたつむり観察記。
前半はかたつむりの徘徊の跡を追って家を探索し、さまざまな思いを巡らせる。
元気になるにつれ、ジャーナリストの職業意識か、かたつむりについて調べはじめた。
うちのかたつむりは一体何種? 
これも一種の闘病記。

「カタツムリが食べる音」 エリザベス・トーヴァ・ベイリー(Elisabeth Tova Bailey)著
(原題:Sound of a Wild Snail Eating  )
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波瀾万丈うそばっかり、歴史冒険物語編: ウンベルト・エーコ 「プラハの墓地」
フリーメイソン、イタリア独立戦争、歴史のことがちょいとわかった気になれる。
うその中にほんとを探せ。(←これは谷川俊太郎)

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次に笑える編:

毎年笑えると言えばアメリ・ノートン。
「Le crime du Comte Neville」 直訳:「ヌビル伯爵の犯罪」
ベルギーの古城の保持が大変、
手放すと決めた伯爵が、最後にガーデンパーティを催す。パーティ開催の前に、おせっかいな預言者が不吉な言葉を口にした。
- パーティであなたは招待客を殺すだろう。
頭を抱える伯爵に、ティーンの娘が言いだした。
- それなら私を殺してよ。

解決法は何もかもが、破天荒。


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もっと笑えた編:

ワイフ・プロジェクト。:Graeme SIMSION著。

アスペルガーの入っているだろう遺伝子専門家の恋物語。本人は至って真面目だし、悪い人じゃないんだけどね。
とっても幸せになってほしい男です。



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そしてまじめ編:

原題Le Miel(直訳:はちみつ)Slobodan DESPOT著

幻想と第六感から始まって、偶然は様々な奇跡を呼ぶ。
過酷な現実に、努力で立ち向かう息子と、運と勘で生きる父。

民族戦争について、こんなにまじめに読んだのは初めてだった。


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最後に、終わりよければ全て良し編:DVD:
「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」
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タイムトラベラーの資質を優性遺伝した青年の話。

やっぱりラストは笑顔で締めたいもの。

2016年が、みなさまにとって良い年となりますように。




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by mkbookies | 2015-12-31 16:28 | 洋書 | Comments(0)

はちみつ

朝市に蜂蜜のスタンドが出ている。プラスチックの簡単な入れ物に蓋を載せただけのパッケージ。はちみつなので、小さなテーブルに山と並べられているのだが、売り手のおっちゃんがいた例(ためし)がない。

以前はマダムと一緒に出店していた。マダムが怪我をしたとか体を壊したとかで孫やおっちゃんが代わりばんこで店を出すようになり、最近はおっちゃんがメイン。
このおっちゃんを捕まえるのに毎回一苦労。

前の野菜売りのスタンドで油を売っていたらいいほうで、たまに広場の反対側まで散歩に出ている。
一度市場の出口でやっと見つけたと思えば
- 今からコーヒー飲んでくる。また後でおいで。
翌週面倒くさくなって、30メートルは離れている別のスタンドではちみつを買ったら、店主の後ろからにゅっと出てきたり。
同業者同士だと話も合うらしい。

毎週朝市に行く度に、今日はどこで会えるか、ちょっと楽しみにしているひょうひょうとしたオヤジ。

本屋で表紙を見るなり、この商売っけのない親父を思い出し、思わず購入。
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原題Le Miel(直訳:はちみつ)Slobodan DESPOT著


薬草療法士とでもいうのだろうか、Herboristの女性が、大げんかをしている男たちと出くわした。故障した車を前に若目の方が怒り狂っている。もう絞めてやると、でめえのせいで、とか騒いでいる。あの時300ドイツマルクを使ったのがケチのつきはじめ。300さえあれば新しい車を買って云々。
療法士は思わず手持ちの300を出して、押し付けると逃げるようにその場を去った。

数カ月後、悪態男が療法士を訪ね当ててきた。300マルクをかえすという。それから蜂蜜を50キロ持参してきた。
薬として診療所では月に10キロは必要だ。今年は蜂蜜が不作で、工面に苦り切っていたところ。
- 言葉が足りなくて申し訳なかったのですが、300マルクは貸したんじゃなく、差し上げたんです。蜂蜜は、いくら払えば。
ー うちのクソ親父がもう何ヶ月も返せ返せって煩いんだ。それに、蜂蜜は売るんじゃない。年寄りが持って行けっていって聞かないから持ってきたんで。これは置いていく。
 療法士は男に事情を聞いてみた。男の話は時をさかのぼり、事の発端はユーゴスラビア紛争。途方もなく長い道のりを経た話が語られる。
今はもうないユーゴスラビア、クロアチア、そして廃虚へ父親を迎えに行った話。

※※※※※※※ 以下感想。

 ユーゴスラビア、クロアチア、 紛争があったのは知っていたが、すべてが遠い国の出来事だった。
始まりは梨木香歩のピスタチオのような幻想的な空気を持っていたが、進むに連れて深刻になっていく。なにしろ話の根底は民族紛争、戦いに暴力。昨日の同僚が今日の敵。行く先々に障害が立ちふさがる。
その影とは対照的に、男の父親が妙な魅力を持っている。パッと見はしょぼい。養蜂一筋、どこか人を喰った、ひょうひょうと直感で動くひょろひょろのトシヨリ。
やることなすこと説明足らずのひとりよがりな行き当たりばったり。しかそれが会った人を助けたりする。荒れた世界に魔法をかけるような存在。
この親父がいなければ、この話は最後まで読み続けられなかった。

生まれた国を見たことのない、スザンナという名の女性に捧げられた本。
この父親は、誰かモデルがいるのだろうか。





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by mkbookies | 2015-12-24 07:01 | 洋書 | Comments(0)

ロージー・プロジェクト


- そろそろ奥さんをもらったら。
友人の言葉に計画を立てはじめた30代の大学教授ダン、遺伝子学を専門としている。
何事も論理的、合理的、効率的。チェック事項を作成し、点数の高い女性を伴侶とすればいい。配偶者プロジェクトのもと、チェックリストを用意して、出会いの場所に積極的に参加していく。
この女性はアルコールが。タバコ、髪染。理想の女性はなかなか見つからず、試行錯誤している中、研究室に若い女の子が現れた。
紹介者はプロジェクトを知る教授の名前。
20代は対象外だが、友人からの紹介ならばと夕食に招待した。
超高級のレストラン。
しかし女の子の目的は「遺伝子学の先生に頼む、母子家庭の父親探し」だった。

※※※※※※
オーストラリア発、「Lost & Found」を読んだならこれは?とブクログ談話室で勧められ、手を出した一冊。
フランス版の表紙も魅力的だったし。


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Comment Trouver La Femme Idéale ou le Théorème du homard 著者:Graeme SIMSION
ちなみに原書は Rosie Project


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小難しく書いてあるけれど中身はミスター・ビーン。
惚れた腫れた。コミュニケーション度の低い、アスペルガーがかった理屈臭い先生と、小娘の、とびっきりフットワークの軽い元気なラブストーリー。

バスの中や人待ちのひだまりの下で読んだのだけれど、思わず吹き出したり、取り残される女の子に涙したり。
DNAを求めてのカクテルパーティのシーンは圧巻。
ニューヨークの場面では古くさくも松田聖子の歌、「赤いスイートピー」を思い出した。
読むうちの不器用な主人公の素に慣れてきて、この人の味を大事にして~と思ってしまう。
とびっきりのラブストーリーだった。

日本語訳は「ワイフ・プロジェクト」
ただ表紙がかなり可哀相。
こういう男はまずは周りが魅力を盛り上げてあげないと。


※※※ おまけ ※※※※※
内容はさておき、主人公は頭のなかで小難しく考えると聞き、英語じゃだめかもとフランス語で読んだ。
主人公が初めて会う人の推定年齢とIMCなるものをいちいち頭のなかで割り出していく。
IMC?
これだけは最後まで読んでもわからなかった。
あらためて調べて笑ってしまった。
ボディマス指数。肥満度、だっのね。
まったくこの男、噛めば噛むほどいい味出してくれました。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

+ この本を読む元になったLost&Foundは10/19に。
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ああ、楽しかった。

ロージープロジェクトは映画化の話もあったが、今のところは保留と聞いた。
無茶を承知で言うならば、時空を超えて三原順氏にマンガにしてもらいたい本。



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by mkbookies | 2015-12-07 14:56 | 洋書 | Comments(0)

13人のテーブル 2016 (=12人の作家+翻訳者1名)

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13人のテーブル新刊を読む。
買ってすぐカバーを掛けたので、今年のテーマが「兄弟姉妹」だったことに後から気づいた。
家の問題は、前回の「食」よりとっても重い。
短篇集なので、一番下に連番付きのリストを挙げておく。
12人の作家と、ひとりの翻訳者で囲む13人のテーブルは、前回よりはマジだった。
以下思いつくまま順不同の感想。
※※※※※
唯一軽快だったのが⑨のイギリス娘とフレンチ男。女性だから書ける話。
 女性の夢だね、こういうツレは。

重くないといえば⑧アレクサンドラ・ラピエール 大家族に憧れた一人息子の話、
 これもコミカル。由緒有る家も大変だ。

群を抜いて社会派だったのは⑥ キャリン・ジエベル
 スリラーとも言えるミステリを書く人。
 そしてこれは、マジすぎ。

⑪はとってもけったい。アメリ・ノトン男版?と思っていたら、イケアでタンスに閉じ込められて世界を旅するインド人を書き、ベストセラーになった人の作品だった。日本語にすると間違いなくラノベになる話。この作家の発想はやっぱり一風変わっている。

② 美人の姉、はアメリを思い出した。映画アメリ・プーラン。ちょっと変わったフレンチ娘。

⑫ 完璧な一卵性双生児 連携プレイが芸術的。短い映画を見た気分。

端的な紹介で、申し訳ないのだけれど、このシリーズは日本で翻訳がでてもおかしくないほど、現代のフランスが詰まっている。
ただ、「花の都パリ」のイメージは崩れることこの上なし。

とかくこの世は人の世だ。

※※※※※※※


①フランソワーズ・ドーダン 父(←主人公)・叔父・息子の話。
②ミッシェル・ビュシ 美人の姉
③マキシム・シャッタン 被害者を残さないシリアルキラー
④ステファン・ドゥ=グロオド コーヘン一族
⑤フランスワ・デペノ 詩的に狂気
⑥キャリン・ジエベル 文化における「娘」
⑦ダグラス・ケネディ 新婚夫婦と親と伯母 
⑧アレクサンドラ・ラピエール 大家族に憧れた一人息子の話
⑨アニエス・ルディ ホテルの火災報知機が縁結びになったイギリス娘とフレンチ男 
⑩ナディン・モンフィス バー経営の姉妹とワンコ
⑪ロマン・ピュエルトラス 世界初月に行ったジプシー
⑫ベルナール・ウェーバー 完璧な一卵性双生児





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by mkbookies | 2015-11-25 06:15 | 洋書 | Comments(0)