木地雅映子(きじかえこ) 氷の海のガレオン

親の入院で一年間の休暇をとって帰省中。
はじめはあわてて「末期休暇」を申請したが、これは最長3か月とのこと。
短すぎるとあわててサバティックで申請をし直した。
やることがある、試してみたいことがある、何かに専念したい、で一雇用先で一回だけ、一年間とれる休暇。
こういうのって、転職準備とか、世界一周とか、放浪の旅のために取るんだと思っていた。
まぁ、夏にはキッズが観光で来たが。

様態は落ち着き、一度退院し、また入院し、一方家のほうにも障害一級がおり、

一年じゃ足りない。

年末には介護離職になりそう。

無念。

それでも時は流れる。
「マイナークラブへようこそ」ではまった木地雅映子を図書館で数冊借りてくる。
「マイナー」は有閑倶楽部や桜蘭ホスト部、ハチミツとクローバーをほうふつされるものがあったが、どうもデビュー作は重いらしい、と聞いたので図書館で小手調べ。

氷の海のガレオン/オルタ (ピュアフル文庫)


まず「氷の海のガレオン」

群像新人文学賞の優秀作品に選ばれ、デビュー作になった話。
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自らを天才だと信じて疑わないひとりのむすめがありました。青木杉子。十一歳。――わたしのことです。

学校に通わなければいけない6年生の話。

梨木香歩の「西の魔女が死んだ」より腹に力が入った女の子。でも、学校に行かなければいけない。


どうして?

学校には黒オーラの女の子たちがいる。(←とは文中語られていないが)

親だって、学校が一番だなんて思っていない。
でも、言わなきゃいけないんだ。
学校に行きなさいって。

どうして?

読んでいて、なんでこういうやつらと合わせていかなぁあかんねん、と思ってしまった。
意地悪な女の子っていうのは、ホントに底意地が悪い。
そして自分を持とうと、頭(こうべ)を上げようとあがく主人公が「西の魔女」よりもっと真摯。


どこか似た雰囲気の本があった。
思っていたがと、アップしながら気が付いた。
人間失格じゃん。斜陽とか。
上から目線の自信に欠ける主人公。
こっちはもっと時代が現代で、涙がとってもなまなましい。


※※※
「オルタ」

六歳、小学校一年生の女の子が主人公。
自閉症がかっていたが、母親とのコミュニケーションはとれている。
女の子が怖いと思ったとき、目の前に見えない壁を下ろしてしまうことは理解している。
隣の席には多動児。
境界線を越えて、怖いことをいっぱいしてくる。
鉛筆をとったり、消しゴムを破壊したり、はさみをふりあげたり。
どうして???
どうして学校に行かなきゃいけないの?


あとがきからするとほぼ実話。
あとがきのラストはきっと実話そのママ。
この歳ではこの言葉が、一番応えたよ。
引用はしないので、機会があったら手に取って。
これほど不意打ちはオチは、簡単にはばらせない。



子どもは社会の預かり者なのだから、理不尽なことにどうやって対処したらいいか一緒に答えを探し、危険がせまったら叫んで逃げ、
そんな小手先では我慢できない、もっと繊細な人がいる。
いろんなひとがいるから、本当の解決策が見つかるのだ。
黒いオーラをぶっ飛ばせ!!!



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by mkbookies | 2016-09-13 06:45 | | Comments(0)
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