ミッキー・ボライターシリーズ三作目。
とってもアメリカンなバイオレンスミステリ作家がヤングアダルトを書いたら、ファンタジーになった、とでも言えそうなシリーズ。もともと大人向けのメインシリーズ、マイロン・ボライターでも、主人公は情に流されやすいところはあった。過激な暴力も書きながらも、この作家も人の親。四人の子持ち。冷酷を演じきれないのかもしれない。 さて、物語。 ミッキーはバスケット狂の高校1年生。つい先日から叔父の家から高校に通いはじめた。この学校のバスケ部は結束固い。誰もがそろって幼なじみ。よそ者の入る隙はない。それでもミッキーはバスケをやりたい。やるからには全力をつくす。思いは純粋。チームメートのドーピングをしかけたり、メンバーを転出させようなどとは夢にも思わない。しかしチームは解体しはじめる。 一方友人エマのバーチャルともだちが姿を消した。彼のフェイスブックにはいきなり子どもと親を引き離す団体のマークが浮かんだ。父が生前関わっていた団体。この姿を消した友人は本当にバーチャルだけのつながりだったのか。 事件はひとつひとつシビアな展開をみせる。しかしミッキーが入ると、話はどこか甘い性善説になっていく。いきいきした友人たちが和やかな雰囲気に輪をかける。ミステリのくせにどうしてこんなにファンタジーな読後感があるのだろうか。 ※※※※※ 三部作だったのね。 ラストの20ページほどからページをめくるスピードがあがっていった。 一冊目からの謎が一気に解かれ、ジェットコースターのスピードで一件落着していったこのシリーズ。読み終わって一息つきながら、それでも思う。次作が読みたい。 脇役キャラ、エマとスプーンにはまた会いたいうよぉ~。 Harlan COBEN著 FOUND 2014年出版 シリーズの公式サイト⇒ ミッキー・ボライター ハーラン・コーベン過去記事
by mkbookies
| 2015-06-09 03:57
| 洋書
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